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関節唇損傷
関節唇断裂とは?
関節唇(かんせつしん)は、肩の受け皿の骨(肩甲骨関節窩)の輪郭を土手のように覆っている線維性の組織で、その部位によって、上方関節唇、前方関節唇、後方関節唇、下方関節唇に分けられます。(※図1)
関節唇は肩関節が前後、上下にぶれないように支える働きをしており、通常骨にしっかりと付着していますが、肩を使いすぎたり、肩にけがをしてはがれることがあります。これが関節唇断裂です。
野球ではボールを投げすぎたり、ダイビングキャッチで肩を打撲したり、スライディングで肩をねじったりして関節唇を傷めます。はがれる部位は肩の上方、前方、後方と様々ですが、野球肩では上方の関節唇がはがれること(スラップ病変
※図2)が多いです。
残念ながら、一度はがれた関節唇が自然に治ることはありません。
主な症状
上方の関節唇がはがれると肩の前後方向と下方のぶれが大きくなり、投球時に肩の痛みや肩が抜ける感じやひっかかり感があります。前方関節唇は、肩が脱臼・亜脱臼した時に断裂し、強い前方不安定性が残ります。
診断方法
MRI、CTでおおよそ診断出来ます。しかし、上方関節唇断裂の診断はなかなか難しく、最終的には肩に内視鏡を入れて初めて診断される場合も少なくありません。
治療方法
保存療法
- 投球をやめて、肩を休める(軽症の場合、1~2週間のノースローで症状改善)
- 肩の開き、肘の位置等の投球フォームの矯正
- 痛みが強い場合、痛み止めや炎症止めの注射の薬物療法
- 投球に負けない肩を作るためのリハビリ「肩甲骨周囲の筋力訓練」「腱板訓練(インナーマッスルエクセサイズ)」
手術療法
保存療法で症状が改善されないような場合、手術をしてはがれた関節唇を縫合する手術をします。
当院では「関節唇断裂修復術」という内視鏡を入れて行う手術を行っています。
創も小さく術後の回復も早いなどメリットが多く、これまで多くの野球選手が復帰をしています。