医療法人 西さっぽろ病院

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非外傷性不安定症(不安定肩)

非外傷性不安定症(不安定肩)とは?

非外傷性不安定症(不安定肩)は、けがとは関係なく、生まれつき肩が“ゆるい”ために、投球時に肩が痛い、肩が抜けそうな感じがするといった症状が出ます。
投球動作を繰り返すと肩の前後方向にストレスが加わり、小さな傷が肩の関節包に起き、もともとの関節包のゆるみが増幅され肩が不安定になることが考えられます。
不安定性が強い場合は、ボールを投げる動作以外でも痛みや亜脱臼感を訴えますが、不安定性の方向により症状が異なります。

前方不安定症

肩が前方にゆるくなった状態で、投球動作の加速期からリリースで抜けそうな感じや痛みがあります。
もともとの肩の前方のゆるみが投球動作による、前方へのストレスで増幅されて症状が出現します。

後方不安定症

肩が後方にゆるくなった状態で、投球動作のフォロースルー期に肩の痛みや違和感を訴えます。ボールを投げる動作で、肩が後方に亜脱臼することが原因です。後方不安定症の人を診察すると、手を前から挙げる動作(万歳)で90度付近から肩の後方に痛みや違和感を訴えます。症状が強いと何もしなくても痛みや違和感(だるい感じ)を訴えます。

多方向性不安定症(MDI: Multi Directional Instability)

肩不安定性が前方、後方、下方のいずれにも起きたものです。前方あるいは後方の不安定症の症状に下方不安定性の症状が加わります。下方不安定性の症状としては重いものを持ったり、腕が下に引っ張られるようなストレスが加わると肩関節が下方に亜脱臼し痛みや違和感が生じます。

治療方法

保存療法

  • 投球をやめて、肩を休める(軽症の場合、1~2週間のノースローで症状改善)
  • 肩の開き、肘の位置等の投球フォームの矯正
  • 痛みが強い場合、痛み止めや炎症止めの注射の薬物療法
  • 投球に負けない肩を作るためのリハビリ「肩甲骨周囲の筋力訓練」「腱板訓練(インナーマッスルエクセサイズ)」

手術治療

手を挙げるだけで簡単に肩が後に亜脱臼するものや、体全体の関節がもともと非常にゆるくて肩の不安定性が強い人には手術が必要となる場合があります。
当院では、内視鏡を用いてゆるんだ関節包を縫い縮める「鏡視下関節包縫縮術」を行います。
創も小さく、術後の肩の動きの制限がないこと、復帰が早いなどメリットが多く、これまで多くの方がスポーツ復帰をしています。