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前十字靭帯損傷
疾患の定義と原因
前十字靭帯は、膝関節のほぼ中央にあって、膝関節が外れないように支えている靭帯です。
具体的には、すねの骨(脛骨)が太ももの骨(大腿骨)に対して前方にずれたり、捻じれたりするのを防ぐ役割をしています。この靭帯は他の靭帯と異なり、関節内にあるため周囲からの栄養に乏しく、一度損傷すると自然には治りにくい特徴があります。また、スポーツでの急激な動作(ジャンプの着地、フェイント動作)や転倒、過度のストレス(コンタクトプレー、過伸展)によりしばしば損傷します。
MRIなどの精査が必要になります。
主な症状
- 膝の腫れ
- 血腫(出血した血液が溜まります)が25cc以上溜まります
- 痛みのためにまともに歩くことが出来ない
- 同時に半月板や関節軟骨、他の靭帯などを損傷する場合も多い
放置していたらどうなるの?
合併する損傷がなければ約1ヵ月ほどで、自然に腫れも痛みもなくなります。
正座もできるようになる場合もあります。治ったかのように思われますが、
この靭帯は、前述したように自然治癒しにくいため、放置すると関節に不安定性が生じてきます。
そのままスポーツ活動を続けていると頻繁に膝崩れを起こすようになり、
半月板や関節軟骨の損傷も進行し、将来的に変形性膝関節症になります。
しかし、スポーツ活動を避け、膝崩れを起こさない範囲に活動性を下げられれば、
将来の変形性膝関節症への進行を抑えることが可能です。
治療
保存療法
受傷早期であれば、断裂のしかたによっては装具による保存療法で靭帯が修復してくるケースが稀にあります。
手術療法
大半は膝関節に不安定性が出て若い人や今後スポーツ活動を希望する人は手術治療が必要になります。
成長期の小学生や、すでに変形性膝関節症が進行している人は手術治療の成績に限界があるため、一般的には手術の対象になりません。