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小児O脚
疾患の定義と原因
O脚で私の外来を訪れる年齢で最も多いのは1歳半前後です。
御両親や祖父母が心配されて連れてこられます。しかし、幼児は、みなO脚です。
成長の過程で自然に5歳ころまでに、大人と同じような軽度の外反膝に徐々に矯正されていきます。
従って、ほとんどのO脚は、心配がありません。
しかし、病的なO脚の原因は、さまざまですが、比較的頻度の高い病気が2つあります。
クル病とブラント病です。
クル病は、特徴的なレントゲン写真と血液検査により診断が可能です。しかし、ブラント病は、骨端症(膝の内側の成長障害)で、2歳までは生理的O脚との区別がつけられないことが多く、経過観察が必要です。
プラント病は、進行すると機能障害が残存する危険性が高くなりますので、プラント病は専門の医師による定期的な経過観察が大切です。
放置していたらどうなるの?
- ブラント病は年齢とともにO脚が進行します。O脚の進行とともに歩容の異常も目立つようになります。
- 通常大人になる前に何らかの手術治療が必要になります。O脚変形は将来の 変形性膝関節症 の原因となります。
治療
レントゲンとMRI、CTで変形の程度および生理的O脚と、治療が必要な疾患とを鑑別することが必要です。
生理的O脚では、経過観察や早期の変形矯正を希望される場合には、夜間装具の装着をおこないます。
クル病では、採血結果に基づきビタミンD製剤の投与、夜間装具による変形矯正をおこないます。
また、初期では装具療法、stageが進行すると手術治療が必要になります。
適切な時期に適切な治療が行えれば、機能障害が出ない例がほとんどです。
手術療法
当院では、創外固定器を使用して、変形の矯正と脚延長を積極的におこなっています。
延長期間中は入院していただき、その後は松葉つえを使用して歩いて退院します。
手術等にかかる費用は、年齢・収入により異なります。
手術後について
リハビリについて
小児の方が多数手術を受けられていますので、あらかじめ準備されたわかり易いプロトコールに従って、リハビリは進められますので心配はいりません。
経験豊富な理学療法士が親切に対応しています。